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Growth Mindsetで変革を起こすマイクロソフト

  • 執筆者の写真: Seattle Networking Group
    Seattle Networking Group
  • 2018年10月20日
  • 読了時間: 5分

更新日:2018年10月22日


2017年10月22日 マイクロソフト (Marketing & Operation)


本日の学び:刷り込まれた文化も、Growth Mindsetによって目標に向かって変えていける!


今回のゲストは、マイクロソフトの児玉仁子さん。国内外での豊かなご経験を基に、組織を前向きに変える上で大切なマインドセットについて、Marketing & Operation部門 (Worldwide Incentive)で働かれているお立場からお話し頂きました。

今回のポイント

  • マイクロソフトは、よりパートナー様/お客様視点の営業へ転換するために変革中。

  • 評価方法を大幅に見直すことで、社内で足を引っ張り合うのではなく、仲間と協力し合う文化へ。

  • Growth mindsetに基づき、動いて、失敗して、学べばいい。失敗を恐れない。

  • 組織の慣習・文化を変えるには、時間をかけて丁寧に対話をし、ビジョンを共有することが大切。

  • Growth mindsetを社内でどのように定着させるかが、米国に限らず日本の会社にとっても重要。

魚の頭は右か、左か

まず印象的だったのは、日本、アメリカ、南アフリカと、学生時代に様々な文化の中で過ごされ、それぞれの特徴を学ばれたというお話でした。アメリカは「出る杭を伸ばす」、日本は「出る杭は打たれる」に対し、南アフリカは「見る角度によって、物事の捉え方が全く変わる」「ディベート好きで、相手の意見に対して自分の意見を言う」という異なる価値観を学ばれたそうです。

特に興味深かったのは、魚の絵の書き方に纏わるエピソードでした

(以下を読む前にご自身で是非魚の絵を思い浮かべてみてください!頭は左右どちらにありますか)。


先入観がない状態で魚の絵を書くと、日本人は魚の頭を左側に書く場合が多いそうです(講演中に参加者の皆様に書いて頂いたところ、確かに統計的に多くなりました)。考えられる原因の一つは、日本のスーパーマーケットでは魚の頭が左側に置かれている場合が多く、その影響を受けている可能性が高いからだそうです(アメリカでは縦に置かれていたり、バラバラの場合が多い)。また、周りと同調する(同調しないと浮いてしまう)日本特有の文化ゆえに刷り込まれた行動とも捉えることができそうです。他人と異なるアクションを起こせない、「出る杭は打たれる」という典型的な一例として、興味深いお話でした。

マイクロソフトと共に学ぶ

児玉さんは、マイクロソフトの株価が$11から$73になるまで、会社の成長と共に様々なことを学ばれたそうです。「みなさん、ご愁傷様です。体力勝負ですが、他の会社で5年かけて学ぶことを、1年で学べます」という社長の言葉で日本マイクロソフトへの入社を決断し、以降ファイナンス、マーケティング、経営企画室でのお仕事をご経験されました。当時、世界13エリアの中で12位だった中、経営企画室のリーダーからは「1位にしよう」と言われ、合言葉は”know the rule, select the people, don’t give up!"。最初は負け癖がついていたチーム(“sick sub”と呼ばれていた)でしたが、9月から11月まで1位をとっていくうちに、12月には何としてでも1位になる!というチームに変貌していったそうです。


その後、営業戦略企画推進部部長へと昇進(係長、課長等全部飛ばして、一気に部長へ)。初営業部、初マネージャー、ほぼ全員年上男性(日本企業には難しい人事異動)といった環境の中、世界一のLeadership Awardを2年連続受賞され、アメリカ本社へ異動されました。現在はWorldwide Incentiveという組織において、会社のミッションを個人のモチベーションに繋げる役割を担っているそうです。

マイクロソフトは変革中

2017年に、マイクロソフトは組織体系を大きく変化させました。例えば "One Commercial Partner”。これは、部署ごとにパートナー担当者がいるマイクロソフト視点の営業から、パートナー担当者が一つの部署に集結するパートナー様/お客様視点の営業への転換を図るためのものです。また、Build with (Partners’ success)、Go-To-Market (Offers into market)、Sell with (Customers’ success)の3部門に組織を整理し変革中だそうです。

組織を変えるために何をするか?

ここで、児玉さんから一つの議題が挙げられ、それについて参加者でブレインストーミングをしました。その議題は、「もし自分が社長だったら、組織を変えるために何をするか?」です。議論が始まる前に、児玉さんからご経験を基に挙げられたポイントは以下の2つです。

  • 児玉さんが部長に選ばれた理由:スピード感が認められた、経営企画室に所属していた、いろんな部署の人たちを知っていた、愛社精神があった、人が切られるのが絶対に嫌だという信念があった。

  • 児玉さんが人を選ぶ際に大切にされたこと:できる(知識がある)人、やる気がある人、時間がかかる仕事に対する覚悟がある人をまず選抜した。しばらくすると、口だけの人と本当にやる気がある人はわかるので、口だけの人を変えた(3回注意勧告したら、もう人を変えた)。

実際の社長の行動とは? そして社員の反応は?

組織を変えるためにマイクロソフトが実際に行ったこと。それは、「仲間と協力し合う文化へと変える」という、原点に立ち返るような地道な取り組みでした。人事のトップが一万人以上の社員に会い、問題と意見を聞くことから始まり、パートナーたちにも実際に会い、外から見えるマイクロソフトを確認しました。また、competitorを叩き潰すのではなく、partnerとして一緒に世界をよくするために動き出したそうです。

最後に印象的だったのは、growth mindset(動いて、失敗して、学べばいい)という考え方です(反義語はfixed mindsetなど。Growth mindsetを楽しくわかりたい方はこちらを見てみてください)。このgrowth mindsetを会社全体に浸透させるため、重要な部分をハイライトしたサティア・ナデラ社長の著書「Hit Refresh」を社員全員で共有する試みも実施されたそう。このことからも、同期と戦う文化から仲間と協力し合う文化へと変革中だと言えるマイクロソフト。社員ではなくても学べるところは沢山あると強く感じました。


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